ふだん着の童謡歌集 ~スローライフミュージック~
「兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川・・・」これは、有名な文部省唱歌「故郷」の一節ですが、 今ではこの様な昔の田舎の情景が、必ずしも故郷とは言えないものです。しかし、不思議な事に、「故郷」のような「童謡」を耳にすると、 子供でも口ずさめる、平易な言葉を遣っていながらも、私達の生前から、日本に在った景色、当時の人々の想いや世情を鮮明に映し、 何故か懐かしく蘇ってくるのです。たとえるなら「童謡」とは、誰もが思い思いの心の「ふるさと」=「原風景」を描くことのできる、 キャンバスのようなものなのでしょう。
だからこそ、唄い継がれ、語り継がれ、今なお生き続けている「童謡」。
この度、童謡歌手でもない「ゆう」が、「童謡」のアルバム制作に踏み切った理由には、実は「母」という存在が大きかったのです。
幼稚園の先生でもあった「母」を持つ「ゆう」は、幼い頃から、自然と「さっちゃん」 「大きな栗の木の下で」等の童謡を唄い聴かせて貰っていました。 そんな彼女にとって 「母」の存在は「優しく」時として「勇まし」い。 また、一緒に過ごした、「夕暮れ時」 の景色が、丸ごと母の想い出となって深く染み込んでいたのです。 だから、彼女の音楽観の中で「童謡」は、JAZZとクラシックだけでは語れない「弱アルカリ音楽」の欠かせない大切なエッセンスとして存在するのです。 「ゆう」という名前の響きにも「優」「勇」 「夕」と、どこか「母」を彷彿させる音である事に、いまさらながら、納得できます。 余談ですが、花屋、旅館等の名前や癒し系商品にも、「ゆう」という響きが多く使われているのは、偶然ではないでしょう。 現代の生活では、様々な音が混じり合い、音の詰め込まれたサウンドが街中溢れかえっています。 そんな中、「ゆう」はこれまでも、コンサートで幾度となくシンプルな「童謡」を唄ってきました。 それは、単なる「癒し」とは違った効果で、私達の乱れ打つ脈を鎮め毛羽立った心を治癒する作用がはたらきました。
【リリース】2003年4月28日
【レーベル】Beathoven
【価 格】1,300 円(税込)
- ~追懐~ NA.
- 赤とんぼ
- 故郷
- おかあさん
- ~泡沫~ NA.
- われは海の子
- 砂山
- 宵待草
- ~道標~ NA.
- 通りゃんせ
- かあさんの歌
- 茶摘
- ~母港~ NA.
- 夕焼小焼
- ちいさい秋みつけた
- 竹田の子守唄